バセドウ病について
バセドウ病は、喉ぼとけの下にある「甲状腺」という臓器が活発になりすぎ、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう病気です。このホルモンは全身の代謝を促進する役割を持っているため、分泌が多すぎると、常に全力疾走をしているような状態になり、心臓や神経、代謝に大きな負担がかかります。一宮市の本町さとう内科クリニックでは、こうしたバセドウ病の診断と治療に力を入れています。
芸能人では歌手の綾香さんや立川志らくさんがバセドウ病であることを公表しています(サッカーの本田圭佑選手もバセドウ病で手術されたとされています)。
バセドウ病の代表的な症状には、激しい動悸や息切れ、手指の震え、急激な体重減少などがあります。これらは心臓への負担が大きいため、循環器に詳しい医師による管理が非常に重要です。当院の院長は、日本内科学会認定 総合内科専門医および日本循環器学会認定 循環器専門医の資格を有しており、内科全般の知識はもちろん、バセドウ病に伴う心血管系のトラブルに対しても専門的な視点からアプローチすることが可能です。
尾張一宮駅から徒歩5分という通いやすい立地に加え、お仕事帰りや商店街へのお買い物ついでにも受診しやすい環境を整えています。バセドウ病は適切な治療を継続することで、健康な方と変わらない生活を送ることが期待できる病気です。「最近疲れやすい」「心臓がドキドキする」といった不安を抱えている方は、どうぞお気軽に私たちにご相談ください。一人ひとりの症状に寄り添い、丁寧な説明と適切な医療を提供いたします。
バセドウ病の症状について
バセドウ病の症状は全身に現れます。甲状腺ホルモンは「身体のエンジン」を回す役割を持っているため、ホルモンが過剰になると、全身がオーバーヒートしたような状態になります。患者さんによって現れる症状は様々ですが、臨床でよく見られる特徴的な症状を整理しました。
心臓や血管に現れる症状
バセドウ病の初期症状として非常に多いのが、循環器系の異常です。甲状腺ホルモンが心臓を強く刺激するため、以下のような症状が目立つようになります。
- 動悸(胸がドキドキする)が常に続く
- 階段を上るだけで激しい息切れがする
- 安静にしていても脈拍が速い(頻脈)
- 血圧が上がりやすくなる
動悸の詳細については「動悸」のページを参照してください。
息切れの詳細については「息切れ」のページを参照してください。
身体の代謝や神経に現れる症状
全身の代謝が異常に高まるため、エネルギーの消耗が激しくなり、日常生活に支障をきたすことがあります。
- しっかり食べているのに体重が減っていく
- 暑がりになり、異常に汗をかく
- 手指が細かく震えて、文字が書きにくい
- 全身に強い倦怠感(だるさ)がある
- 筋肉に力が入らなくなる(周期性四肢麻痺)
精神面や消化器への影響
神経が過敏になるため、メンタル面でも変化が現れやすくなります。また、内臓の動きも活発になりすぎる傾向があります。
- イライラしやすく、落ち着きがなくなる
- 夜、なかなか眠れない(不眠傾向)
- 排便の回数が増える、または下痢をしやすくなる
不眠の症状にお悩みの方は「不眠症について」のページも併せてご覧ください。
下痢が続く場合は「下痢について」のページを参照してください。
眼に現れる症状(バセドウ眼症)
バセドウ病特有の症状として、眼の周りの組織に炎症が起きることがあります。すべての患者さんに現れるわけではありませんが、注意が必要です。
- 眼球が突き出ているように見える(眼球突出)
- まぶたが腫れたり、吊り上がったりする
- ものが二重に見える(複視)
- 眼が乾燥したり、充血したりしやすくなる
バセドウ病の原因について
バセドウ病は「自己免疫疾患」と呼ばれる病気の一種です。本来、私たちの身体に備わっている免疫システムは、ウイルスや細菌などの外敵を攻撃して身を守るために働きます。しかし、何らかの理由で自分の甲状腺を「敵」だと勘違いして攻撃してしまうことがあります。
自己抗体の発生
バセドウ病の直接的な原因は、血液の中に「TSHレセプター抗体(TRAb)」という異常なタンパク質(自己抗体)ができることです。この抗体が、甲状腺の表面にあるホルモンを受け取るスイッチを、常にオンの状態にしてしまいます。その結果、脳からの指令がなくても甲状腺が勝手にフル稼働し続け、大量のホルモンを作り出してしまうのです。
発症のきっかけとなる要因
なぜ自分を攻撃する抗体ができてしまうのか、その正確な理由は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が組み合わさっていると考えられています。
- 遺伝的素因(ご家族に甲状腺の病気がある方に多い傾向)
- 過度なストレスや肉体的な過労
- 喫煙(タバコを吸う方は症状が悪化しやすく、眼の症状も出やすい)
- 出産や大きな生活環境の変化
バセドウ病と似た病気の種類について
「甲状腺ホルモンが多い」という状態を引き起こす病気は、バセドウ病だけではありません。これらを正確に見極めることが、適切な治療への第一歩となります。当院では血液検査や身体診察を通じて、丁寧な診断を行います。
無痛性甲状腺炎
甲状腺に蓄えられていたホルモンが、何らかの原因で血液中に漏れ出してしまう状態です。バセドウ病と症状が似ていますが、一時的なものであり、通常は1ヶ月から2ヶ月程度で自然に落ち着きます。バセドウ病の治療薬(抗甲状腺薬)を服用する必要はないため、鑑別が非常に重要です。
亜急性甲状腺炎
ウイルス感染の後に起きることが多く、甲状腺に強い痛みや腫れを伴うのが特徴です。発熱することもあり、漏れ出たホルモンによって動悸などの症状が出ますが、これも一過性のものです。
プランマー病(中毒性多結節性甲状腺腫)
甲状腺にできた「しこり」が、勝手にホルモンを作り出してしまう病気です。バセドウ病のように全身の免疫異常ではなく、しこりそのものが原因となります。
バセドウ病の治療法について
バセドウ病の治療の目的は、過剰な甲状腺ホルモンの量を正常な範囲にコントロールし、辛い症状を取り除くことです。主に「お薬による治療」「アイソトープ治療」「手術」の3つがありますが、当院では主にお薬による内科的治療を軸に行っています。
抗甲状腺薬による内服治療
甲状腺ホルモンが作られるのを抑えるお薬(メルカゾールやチウラジールなど)を服用する方法です。最も一般的な治療法で、多くの方がこの方法で治療を始めます。ホルモン値が正常に戻った後も、抗体が消えるまでは数年間にわたって、量を調整しながらお薬を飲み続ける必要があります。自己判断でお薬をやめてしまうと、高い確率で再発してしまうため注意が必要です。
ベータ遮断薬(症状を和らげる補助薬)
ホルモンそのものを減らすわけではありませんが、辛い動悸や手の震えを即効性を持って抑えるお薬です。特に治療開始直後のホルモンが高い時期に使用します。循環器に強みを持つ当院では、心臓の状態に合わせて適切な種類と量を選択いたします。
放射線治療(アイソトープ治療)
放射性ヨウ素のカプセルを飲み、甲状腺の細胞を部分的に破壊してホルモン分泌を減らす治療法です。お薬で副作用が出る方や、再発を繰り返す方が対象となります。この治療が必要と判断した場合は、提携する高度医療機関をご紹介いたします。
手術治療(甲状腺切除術)
甲状腺の一部を残して切除し、物理的にホルモンの分泌量を減らす方法です。甲状腺が非常に大きい方や、早期に治療を完了させたい方が選択されます。手術が必要な場合も、適切な外科病院をご紹介しております。
お薬の副作用とリスクについて
抗甲状腺薬は非常に優れたお薬ですが、飲み始めの数ヶ月間は注意が必要な副作用があります。当院では、安全に治療を継続できるよう、定期的な血液検査でチェックを行っています。
かゆみ・じんましん
最も頻度の高い副作用です。軽度であれば抗アレルギー薬を併用しながら継続できますが、症状が強い場合はお薬の種類を変更します。
肝機能障害
血液検査で数値の上昇が見られることがあります。自覚症状がないことも多いため、定期的な検査が不可欠です。
無顆粒球症(重篤な副作用)
非常に稀ですが、血液中の白血球(細菌と戦う細胞)が急激に減ってしまう状態です。免疫力が低下するため、放置すると重い感染症を引き起こす恐れがあります。治療開始から数ヶ月以内に起きることが多いため、急な発熱や喉の痛みを感じた場合は、すぐにお薬を中止して当院までご連絡いただくよう指導しています。
バセドウ病についてのよくある質問
Q1. バセドウ病は完治しますか?
A1. バセドウ病には「寛解(かんかい)」という状態があります。これは、お薬を飲まなくてもホルモン値が正常に保たれ、症状がない状態のことです。まずはこの寛解を目指して治療を進めます。体質的に再発しやすい面もありますが、根気よく通院することで、多くの方が健康な時と変わらない生活を取り戻しています。
Q2. 妊娠や出産は可能ですか?
A2. はい、可能です。ただし、妊娠前からホルモン値をしっかりとコントロールしておくことが、お母さんと赤ちゃんの安全のために非常に重要です。妊娠中も服用できるお薬がありますので、計画的な妊娠・出産をサポートいたします。将来的に妊娠を希望される場合は、早めに医師にご相談ください。
Q3. 食事で気をつけることはありますか?
A3. バセドウ病の治療において、極端な食事制限は必要ありません。以前はヨウ素(海藻類など)の摂取を控えるよう言われたこともありましたが、現在では通常の食事の範囲であれば問題ないとされています。それよりも、代謝が上がってエネルギーを消耗している時期は、栄養バランスの良い食事をしっかり摂ることが大切です。
Q4. 運動はしても良いですか?
A4. 甲状腺ホルモンが高い時期は、安静にしていても心臓に大きな負担がかかっています。この状態で激しい運動をすると、心不全や不整脈を引き起こすリスクがあるため、数値が落ち着くまでは運動を控えていただく必要があります。数値が安定すれば、徐々にスポーツも再開できるようになります。
院長より
バセドウ病は、20代から50代の比較的若い世代に多く、特に女性に発症しやすい病気です。最初は「最近なんだかイライラする」「疲れが取れない」「少し動くと息が切れる」といった、更年期障害や自律神経失調症、あるいは単なる疲れと間違われやすい症状から始まります。
本町さとう内科クリニックでは、一宮市の地域の皆様のかかりつけ医として、こうした「なんとなくの不調」の裏に隠れた病気を見逃さないよう、丁寧な診察を心がけています。私は日本循環器学会認定 循環器専門医として、特にバセドウ病による心臓への影響を重視しています。甲状腺ホルモンによる頻脈や不整脈は、将来的に心臓の機能を低下させるリスク因子となりますが、早期に適切な治療を開始すれば、これらは十分に回避できるものです。
当院では、糖尿病の指標であるHbA1c検査も即日結果説明が可能ですが、甲状腺疾患に関しても迅速な対応をモットーとしています。心電図や心臓超音波検査(心エコー)も必要に応じて即日実施し、心臓への負担を正確に評価いたします。愛知県一宮市の本町商店街内にあり、尾張一宮駅から徒歩5分とアクセスも良好です。専用駐車場や提携駐車場も完備しておりますので、お車の方も安心してお越しください。
バセドウ病は決して怖い病気ではありません。お薬との上手な付き合い方を見つけ、一緒に穏やかな毎日を取り戻していきましょう。少しでも不安を感じたら、まずは一般内科の窓口として私たちを頼ってください。患者さんの不安を安心に変えられるよう、スタッフ一同、誠心誠意サポートさせていただきます。
一般内科の診療については「一般内科について」のページもご覧ください。
