ペースメーカーについて
ペースメーカーとは
ペースメーカーとは、不整脈等があり正常に働きにくくなっている心臓を補助する機械です。
一般的なイメージでは「ペースメーカーが必要」というと重度の心臓病の方の印象が強いかもしれません。
基本的には脈が遅くなる徐脈性不整脈(洞不全症候群、完全房室ブロック、徐脈性心房細動等)の患者さんに適応があります。
2025年、芸能人の美川憲一さんが洞不全症候群でペースメーカーをいれたことを公表されています。美川さんはパーキンソン病のご持病がありますが、ご持病による不整脈で適応になる方もいれば、特に基礎疾患がなく徐脈性不整脈の発症などがあり、ペースメーカー適応になる患者さんもいます。
ペースメーカーはガイドラインで治療適応が決まっていて専門医が適切に判断し、患者さんとの相談の上、手術が行われます(JCS/JHRS 2024 Guideline Focused Update on Management of Cardiac Arrythmias)。。また手術後は、患者さんに応じたペースメーカー設定があり、調整を行います。
また術後のペースメーカーは患者さんによって作動頻度が異なり、完全にペースメーカーに脈が依存する方、普段は自分の脈で、脈が少し遅くなったタイミングだけペースメーカーが働く人など、ペースメーカーの動き方は様々です。
まずはペースメーカーの手術前の患者さんの全身状態の評価が重要で、そのあとも患者さんの状態に応じたフォローUPが必要になります。
当院における不整脈の診断
まずは通常の12誘導心電図を測定し、必要あれば24時間測定可能なホルター心電図を施行します。
心臓に器質的な異常がないかのチェックのために心臓超音波検査、心不全の合併の有無のチェックのために採血検査や胸部レントゲン検査を必要に応じて施行していきます。
また患者さんの症状が重要ですので、丁寧な問診を行っていきます。
当院におけるペースメーカー管理(※当院では埋め込み手術は行っていません、術前・術後管理になります)
院長は循環器専門医ですので、当院はペースメーカーが挿入されている患者さんの診察に関して、積極的に受け入れています。
(上位互換デバイスのICDやCRT-P、CRT-D等も問題ございません)
普段の血圧管理や血糖値等の管理に加えて、心不全予防の内服管理など、総合病院の同様に患者さんを診察し、処方の調整を行っています。
半年や年1回のペースメーカーチェック(ペースメーカー自体の点検)も、ペースメーカー業者さんと連携しながら病院と同様に行うことも可能です。
定期診察に加えて、ペースメーカーチェックも当院でご希望であれば、ご遠慮なくご相談ください。
またもし病院での処置が必要な場合は即時ご紹介可能な体制になっております。
ペースメーカーの相談に関して
ご自身に不整脈があり、ペースメーカー適応といわれている等でご不安な方はまず主治医の先生とよく相談しましょう。
ただ総合病院の先生方は時間も限られていて、なかなかご相談しにくいこともあるかもしれません。
当院では随時ペースメーカーに関する受診を受け付けています。ご自身の不整脈に関してご不安があったり、ペースメーカー手術前・手術後、何かお困りの症状がございましたらご遠慮なくご受診ください。地域のかかりつけ医として、継続的で安心できるフォロー体制を大切にしています。お気軽にご相談ください。
ペースメーカーについてのよくある質問
Q1. ペースメーカーが入った場合、日常生活に制限はありますか?
実際はほとんど制限がない状況で生活されている方が多いです。一般的な日常生活ではほぼ制限はありません。ただ一般的な注意事項としては、電気毛布や電気風呂などの使用には注意が必要です(本体に直接電気をあてるような距離は避けるのが望ましいです)。また通常はペースメーカーのリード線があるペースメーカーがほとんどですが、この場合、肩を完全に上にあげたり、ゴルフのスイングのような動きで負担がかかる可能性はありえますので、避けていただくような注意が担当医から説明があることがあります。また病院でMRIを撮影する場合はあらかじめ申し出ていただく必要があります。当院でも状況に応じて、上記の説明をさせていただいております。
Q2.ペースメーカーが入った場合、不整脈は治っているのでしょうか?
患者さんそれぞれによって違いがありますが、完全には「治った」とはいいにくいのが現状です。もちろん一部の患者さんでペースメーカーをいれて、脈がゆっくりな状況がペースメーカーで脈が担保され、薬も完全になくなったという患者さんもいます。ペースメーカーが入ることで、脈拍数は確実に担保されるのですが、ご持病がある心臓ですので、他の不整脈(例えば心房細動)を合併する可能性は避けられず、お薬が必要になる患者さんがいらっしゃいます。また薬の有無を問わず、フォロー期間に差はあっても、定期受診は必要になります。ご自身の不安が強い場合は主治医の先生や当院の受診をご検討ください。
Q3.電池交換は必要でしょうか?
ペースメーカーの作動状況によりますが約7-10年くらいで電池交換が必要になる患者さんが多いです。電池チェックも含めて、半年~年1回のペースメーカーの点検が行われます。当院でもこの点検(ペースメーカー外来)は対応可能です。電池が半年を切ってくる頃に、総合病院での手術のための受診をお勧めしています。手術は一般的には電池交換時は埋め込み手術より簡易的で手術時間も短いです。
