肺炎について
肺炎は、肺の奥にある肺胞という小さな袋状の組織に炎症が起こる病気です。日本人の死因の中でも常に上位を占めるほど深刻な疾患ですが、初期の段階では「ただの風邪」と思い込んで放置されてしまうことが少なくありません。風邪との大きな違いは、肺の深部で細菌やウイルスが繁殖し、酸素を取り込む力が低下してしまう点にあります。特にご高齢の方や持病のある方にとっては、命に関わる重症化のリスクがあるため、早期の診断と適切な治療が極めて重要です。
私たち本町さとう内科クリニックは、愛知県一宮市の本町商店街内に位置し、地域の皆さんの健やかな毎日を守るため、日々の診療にあたっています。当院の院長は日本内科学会認定 総合内科専門医であり、肺炎のような全身管理が必要な病気に対して、幅広い視点から的確なアプローチを行うことを得意としています。また、日本循環器学会認定 循環器専門医としての知見を活かし、肺炎によって負担がかかりやすい心臓の状態も同時に評価することが可能です。尾張一宮駅から徒歩5分という通いやすい場所で、皆さんの不安に寄り添った医療を提供します。
肺炎の症状について
肺炎の症状は、原因となる微生物の種類や、患者さんの体力、年齢によって多岐にわたります。一般的な風邪と似た症状から始まりますが、肺炎の場合は症状が重く、長く続くのが特徴です。代表的な症状として、以下のようなものが挙げられます。
呼吸器に現れる症状
- 激しくしつこい咳(せき)が出る
- 黄色や緑色をした粘り気のある痰(たん)が出る
- 呼吸をするときにゼーゼー、ヒューヒューと音がする
- 階段の上り下りや少しの動作でも息切れがする
全身に現れる症状
- 38度以上の高熱が続く
- 寒気や震え(悪寒)が強い
- 全身のだるさや倦怠感が抜けない
- 胸に痛みを感じる(深呼吸や咳をすると痛む)
高齢者の肺炎における注意点
特に注意が必要なのが、ご高齢の方の肺炎です。若い方のように分かりやすい高熱や激しい咳が出ないことがあり、気づかないうちに病状が進行する不顕性肺炎(ふけんせいはいえん)という状態になることがあります。以下のような「いつもと違う様子」が見られたら、肺炎を疑って早めに受診してください。
- なんとなく元気がない、活気がない
- 食欲が落ちて、水分もあまり摂りたがらない
- 意識がぼんやりしている、つじつまの合わないことを言う
- 何度も食べ物や飲み物でむせている
咳の詳細については「咳について」のページを参照してください。
肺炎の原因について
肺炎は、日常生活の中で吸い込んだ病原体が肺の中で増殖することによって起こります。健康な状態であれば、喉や鼻の粘膜、咳などの防御反応によって病原体は排除されますが、免疫力が落ちていると肺まで侵入を許してしまいます。
細菌による感染
肺炎の原因として最も多いのが細菌感染です。代表的なものに「肺炎球菌」があります。肺炎球菌は、健康な人の喉や鼻にも存在することがありますが、体力が落ちた際などに暴れだし、肺炎を引き起こします。そのほか、インフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは別物です)や黄色ブドウ球菌なども原因となります。
ウイルスによる感染
インフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなどのウイルスが原因となることもあります。ウイルスそのものが肺炎を起こすだけでなく、ウイルスによって肺の抵抗力が弱まったところに細菌が二重感染して肺炎が重症化するパターンも臨床ではよく見られます。
誤嚥(ごえん)によるもの
食べ物や飲み物、あるいは口の中の細菌が混じった唾液が、誤って気管から肺に入ってしまうことを「誤嚥」と言います。本来、胃に入るべきものが肺に入ることで、強い炎症が起こります。これを誤嚥性肺炎と呼び、ご高齢の方や脳血管障害の既往がある方に多く見られるタイプです。
非定型肺炎(マイコプラズマなど)
マイコプラズマやクラミジアといった、通常の細菌とは少し異なる性質を持つ微生物が原因となる肺炎です。比較的若い世代にも多く、頑固な乾いた咳が長く続くのが特徴です。通常の抗生剤が効きにくいため、適切な診断に基づいた薬の選択が必要になります。
肺炎の病気の種類について
肺炎は、どこで感染したか、あるいはどのようなきっかけで発症したかによって、大きくいくつかの種類に分類されます。この分類によって、治療に使う薬の選択や入院が必要かどうかの判断が変わってきます。
市中肺炎(しちゅうはいえん)
病院の外、つまり普段の生活を送っている中で発症する肺炎です。最も一般的な肺炎であり、肺炎球菌やマイコプラズマなどが主な原因となります。多くの場合、適切な抗生剤の服用により外来での加療が可能です。
院内肺炎
他の病気で入院している最中に、入院から48時間以上経過した後に発症する肺炎です。入院している患者さんはもともと体力が落ちていることが多く、また病院内に存在する薬に対する耐性を持った強い菌が原因となることもあるため、慎重な管理が求められます。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
飲み込む力(嚥下機能)の低下によって起こる肺炎です。再発を繰り返すことが多く、治療だけでなく、口腔ケアや食事形態の工夫、リハビリテーションなどが重要になります。予後(よご - 病気の経過や見通し)が飲み込む力の改善に大きく左右される疾患です。
間質性肺炎(かんしつせいはいえん)
肺胞の壁の部分である「間質」に炎症が起こり、壁が厚くなって肺が硬くなる病気です。細菌感染による一般的な肺炎とは治療法が全く異なり、免疫抑制剤やステロイドが必要になることもある特殊な肺炎です。息切れの症状が強く出ることが多いのが特徴です。
息切れの詳細については「息切れ」のページを参照してください。
肺炎の治療法について
肺炎の治療の基本は、原因となっている病原体を叩くことと、現れている辛い症状を和らげることの二段構えで行います。当院では総合内科専門医の視点から、患者さん一人ひとりの背景に合わせた治療を提案します。
薬物療法(原因療法)
細菌性肺炎が疑われる場合は、抗生剤(抗生物質)を使用します。点滴や飲み薬を使い、菌を死滅させます。ウイルス性の場合は、抗ウイルス薬が使えるものもあれば、自身の免疫で治るのを待つ場合もあります。大切なのは、自己判断で薬を途中でやめないことです。中途半端な服用は、薬が効かない「耐性菌」を生む原因となります。
対症療法(症状を和らげる治療)
咳がひどい場合には咳止めを、熱が高い場合には解熱剤を使用します。また、痰を出しやすくする去痰薬を併用することもあります。これにより、体力の消耗を防ぎ、回復を早めます。当院では患者さんの希望に応じて、体に優しい漢方薬を併用する「漢方外来」の知見も活かした処方を行っております。
漢方治療の詳細については「漢方外来」のページを参照してください。
酸素療法と全身管理
血液中の酸素濃度が下がっている場合には、酸素吸入を行う必要があります。また、肺炎は全身の炎症であるため、十分な水分補給(脱水予防)と栄養補給、そして絶対安静が必要です。重症度が非常に高い場合や、自宅での療養が困難な場合は、提携する高度医療機関へ速やかに紹介し、入院治療を検討します。
心臓への負担に対する管理
肺炎になると、肺でのガス交換がうまくいかなくなるため、心臓はより多くの血液を送り出そうとフル回転します。これは心臓にとって大きな負担となります。当院の院長は循環器専門医ですので、肺炎の治療と並行して、心不全などの合併症が起こっていないかを慎重にチェックします。
心不全の詳細については「心不全について」のページを参照してください。
肺炎の予防と肺炎球菌ワクチン
肺炎は治療も大切ですが、それ以上に「ならないための予防」が非常に有効な疾患です。特に高齢者の方においては、予防接種を受けることで重症化を防げる可能性が格段に高まります。
肺炎球菌ワクチン(予防接種)
成人の肺炎の原因菌として最も多い肺炎球菌に対するワクチンです。すべての肺炎を防げるわけではありませんが、肺炎球菌による肺炎の重症化を予防する効果が期待できます。一宮市でも公費助成の対象となる年齢がありますので、詳しくは当院までお問い合わせください。
予防接種の詳細については「予防接種」のページを参照してください。
日常生活での予防策
- 手洗い、うがいを徹底し、ウイルスや細菌の侵入を防ぐ
- 口腔ケアをしっかり行い、口の中の細菌を減らす(誤嚥性肺炎の予防)
- 禁煙を心がける(タバコは肺の防御機能を著しく低下させます)
- 持病(糖尿病や心疾患など)を適切に管理し、免疫力を維持する
当院では禁煙をお考えの方をサポートする禁煙外来もございます。「禁煙外来」のページもぜひご覧ください。
肺炎についてのよくある質問
Q1. 風邪と肺炎はどうやって見分ければいいですか?
A1. 自己判断は非常に難しいですが、目安として「38度以上の熱が3日以上続く」「咳がどんどん激しくなる」「痰の色が濃くなる」「息苦しさがある」といった場合は肺炎の可能性が高まります。特にご高齢の方は熱が出ないこともあるため、少しでも様子がおかしいと感じたら早めに受診してください。
Q2. 肺炎は人にうつりますか?
A2. 肺炎そのものがそのまま人にうつるというよりは、原因となるウイルスや細菌が咳やくしゃみのしぶき(飛沫)を通じて周囲の人に感染することはあります。感染しても肺炎になるかどうかはその人の免疫力によりますが、患者さんはマスクの着用など咳エチケットを心がけることが大切です。
Q3. 肺炎で入院が必要になる基準はありますか?
A3. 「脱水症状がある」「意識が少しぼんやりしている」「酸素飽和度(SpO2)が低い」「血圧が下がっている」「高齢で一人暮らしである」といった項目を総合的に判断します。当院では総合内科専門医が精密な評価を行い、外来で治療可能か、入院が必要かを適切に判断いたします。
Q4. 一度肺炎になったら、またなりやすくなりますか?
A4. 肺の組織がダメージを受けていたり、免疫力が低下した状態が続いていたりすると、再発のリスクはあります。特に飲み込む力が弱くなっている方の誤嚥性肺炎は繰り返しやすい傾向にあります。日頃からの生活習慣の改善と予防接種が、再発防止の鍵となります。
院長より
愛知県一宮市の本町さとう内科クリニック、院長の佐藤暢祐です。肺炎という病気は、医療が進歩した現代においても、決して軽んじてはいけない恐ろしい病気の一つです。しかし、早期に見つけて適切な治療を開始すれば、多くの場合は速やかな回復が期待できます。当院では、患者さんの不安を取り除くため、丁寧な説明とスピーディーな診断を心がけています。
当院では当日胸部レントゲン検査、CRP検査の結果がわかり、迅速に診断・治療につなげられます。
私たちは日本内科学会認定 総合内科専門医として、単に肺だけを見るのではなく、全身の健康状態をトータルでサポートすることを使命としています。また、日本循環器学会認定 循環器専門医の立場から、肺炎による心臓への負担にも細心の注意を払い、即日の検査・結果説明が可能な体制を整えています。「これくらいの咳で病院に行っていいのかな」と迷われる必要はありません。商店街の身近なクリニックとして、いつでも気軽にご相談ください。
尾張一宮駅から徒歩5分、提携駐車場も完備しておりますので、お車でも電車でもお越しいただけます。もしご家族の様子がいつもと違う、あるいは長引く咳で不安だという方は、どうぞ無理をなさらず私たちのクリニックを頼ってください。地域の皆さんが安心して呼吸し、元気に過ごせるよう、全力を尽くして診療にあたります。
発熱や強い症状がある方は、事前に「発熱外来」のページをご確認の上、お電話いただけますとスムーズにご案内が可能です。
