冠攣縮性狭心症について
冠攣縮性狭心症とは
一般的な狭心症はみなさんが想像しやすい、物理的に冠動脈が狭くなってくる狭心症を指すことが多いです(詳細は労作性狭心症についてを参照ください)。
ただもう一つ重要な冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症という狭心症があります。
名前の通り、冠動脈が攣縮する(震える)ことで、冠動脈の血流が低下し、胸の痛みなどの胸の発作症状が出現します。
狭心症の4割は冠攣縮性狭心症というデータがあります。アジア人に多いとされています。
発症メカニズム
冠攣縮性狭心症の原因として、喫煙、飲酒、脂質異常症、糖尿病、ストレス等があげられます。特に喫煙は最大の危険因子です。
夜間~早朝にかけての安静時にかけて胸部症状が出現するのが特徴です。
冠動脈が震えることで、冠動脈の血流が低下し、胸痛発作が出現します。
検査
問診が非常に重要になります。いつ、どのようなタイミングで胸痛発作がおきていたのかを丁寧にお聞きします。そのうえで、心電図検査や24時間の心電図(ホルター心電図)、心臓超音波検査を行っていきます。
発作時の心電図が測定でき、心電図に所見があれば診断確定になりますが、なかなか発作時に心電図を測定するのも難しく、診断確定が難しい狭心症にはなります。
発作の頻度や状態に応じて、総合病院での心臓カテーテル検査を勧める可能性もあります。
治療
冠動脈を拡げる作用のあるお薬が治療の柱になります。発作時には亜硝酸薬のニトロペンが著効するのが特徴です。場合によっては複数の血管拡張剤を使用します。
また脂質異常や糖尿病の管理、禁煙、節酒も同時に行っていきます。