脂質異常症について
脂質異常症とは
脂質異常症とは、血液中のLDLコレステロール(悪玉)や中性脂肪が高い状態、HDLコレステロール(善玉)が低い状態を示す疾患です。
遺伝や体質が原因で発症することもありますが、日本人の食生活の欧米化で、動物性脂肪の多い食事の摂取が一番の原因といわれています。
肥満、運動不足、喫煙や飲酒等が大きな原因です。
厚生労働省の患者調査(3年おきに施行)によると令和5年では脂質異常症で治療を受けている患者さんは458万人と、前回の令和2年の調査の401万人から57万人増加していることになります。
脂質異常症の定義
下記の表をご覧ください☆
LDLコレステロール | 140mg/dl以上・・・・・・高LDLコレステロール血症 |
HDLコレステロール | 40mg/dl未満・・・・・・低HDLコレステロール血症 |
中性脂肪(TG) | 150mg/dl以上・・・・・高TG血症 |
上記の表に従い診断していきます。
脂質異常症の治療目標値
個々の患者さんの背景(冠動脈疾患の既往、性別、年齢、危険因子)によりかわってきます。
冠動脈疾患の既往のある患者さんは「二次予防」といって薬物治療介入が必要で、具体的にはLDL100未満(急性冠症候群の方は70未満)が目標になります。
既往がない患者さんは「一次予防」といって低リスク、中リスク、高リスクの方でそれぞれ160未満、140未満、120未満と目標値がかわってきます。
循環器内科医の立場からですと昔からLDLに関しては「the lower,the better(低ければ低いほどよい)」とも言われていて、薬物強化ささてもらうことも多いです。
ただガイドラインをまずを念頭に、患者さんの生活スタイル・既往症に沿って適切な薬剤の選択、薬剤量のご相談をさせていただきます。
超音波検査
当院では脂質異常症の患者さんに対して、積極的に超音波検査を行っています。
頸動脈エコーでは脳の血管に続いている頸動脈にプラークがないかどうか、血管に狭窄がないかをcheckします。
心臓超音波検査では、動脈硬化の進行により狭心症がないか、弁膜症などの合併がないか等をcheckします。
腹部超音波検査では、脂質異常症に合併しやすい脂肪肝の合併がないか等をcheckします。
治療の継続性
お薬を継続することも重要ですが、習慣的な運動やバランスの良い食事を継続することが何より重要です。
当院はみなさんの健康を全力でサポートします。
ご不安なこと、小さな疑問でも、お気軽にご相談ください。