関節リウマチについて
関節リウマチとは
関節リウマチとは「自身の免疫の異常で、関節の滑膜などに炎症をおこし、腫れや痛みをおこし、進行すると関節の破壊・変形から機能障害に至る病気」です。
患者数は人口数の0.4-0.5%、30歳以上の人口の1%にあたる方が患者さんになっています。男女比は1:3~4で女性に多い病気になります。
また高齢化に伴い日本では2020年代では60歳代の発症が最多になっており、高齢発症の方のリウマチも増えてきている状態です。
関節リウマチの症状
・朝に関節がこわばってしまい、手があけにくい
・左右対称性に手や膝関節、肘などが痛み、熱をもったり、腫れたりする
・微熱や倦怠感がある
上記の症状が典型的な症状の特徴ですが、すべて揃わない患者さんもいます。
全身の関節に症状が出る可能性があり、顎や肩関節、股関節などの痛みを訴える患者さんもいます。
日常生活の具体的な症状としましては・・・
・物をつかめない
・料理をしようとしても、手や腕が痛くて調理できない
・膝が痛くて外出できない、階段も上り下りできない
・顎が痛くて物がうまく噛めない
上記のような症状があり、日常生活に支障が出てくることが多いです(病初期の場合は軽度の関節痛のこともありえます)。
関節リウマチの経過
昔は関節リウマチは治らない病気で、痛み止めやステロイドなどの対症療法が中心でした。病名も「慢性関節リウマチ」と呼ばれていました。
1999年に抗リウマチ薬の「メトトレキサート」が承認され、2003年にサイトカインの1つであるTNF-αをブロックするTNF阻害薬が承認されました。
この生物学的製剤により、治療効果が大きく改善し、2001年時点では約8%だった寛解率も、2020年には約60%になりました(東京女子医大IORRA調査より)。
2004年に日本リウマチ学会は「慢性」という名称もなくしています。
当院でのリウマチの検査
当院ではまずは問診、関節の診察をさせていただきます。リウマチの可能性が高く疑われる場合は採血検査を行います。リウマチに特徴的で上昇しやすい抗CCP抗体やRF因子、また炎症反応のCRP等をcheckさせていただきます。
関節リウマチ分類基準(2010 ACR/EULAR)を基準に診断になります。
当院では診察や採血結果などから、関節リウマチが疑わしい患者さんに関しては、リウマチ専門医をご紹介させていただきます。
前述の通り、現在治療が劇的に進歩した+発症早期に適切な治療を行うことが将来の関節破壊を防ぐことにつながります。このためスピード感を持った対応が重要になります。
(病状が落ち着いている場合は当院でも処方の継続は可能になります)
痛みを我慢せず、関節リウマチの早期発見・治療へ
私自身が学生時代にラグビーによるケガで関節の痛みの経験があります(手術もしています)。また医師になってからも、後遺症で膝の靭帯再建手術も再度経験しました。原因は違えど、痛みの辛さは本当によくわかります。
また実は私の家族が関節リウマチを発症しています。現在まさに生物学的製剤を使用していて、寛解に近い状態です。リウマチは生活の質を落とす可能性がある病気です。なるべく早い診断が重要になります。ただ病院へ行くのはハードルが高いと思われる方が多いと思います。
当院は本町商店街内にあり、気軽に受診・相談可能です。ご不安な方は受診してください。
悩みや不安が少しでも解消されることを目標に、またもし診断がついた場合はスピード感をもって治療できるように、日々診療にあたっています。