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感染性胃腸炎について

胃腸炎とは

胃腸炎は細菌又はウイルスなどの感染性病原体により腹痛・嘔吐・下痢を主症状とする感染症です。原因はウイルス性が多く(ロタウイルス・ノロウイルス)、毎年秋から冬にかけて流行します。エンテロウイルスやアデノウイルス、細菌性によるものもみられます。

感染経路について

病原体が付着した手で口に触れることによる感染(接触感染)、汚染された食品を食べることによる感染(経口感染)があります。

治療について

特効薬はなく、対症療法になります。治療の基本は整腸剤と胃腸に優しいアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤を使用します。漢方薬を併用することもあります。

また脱水の改善のために、水で薄めたリンゴジュースを少量ずつ飲むようにしましょう。

水分、塩分、糖分をバランスよくとることが重要になります。

頻回に嘔吐があり飲めない場合や食べれない場合は点滴が必要になります。

また腹痛が強い場合も受診を検討しましょう。

注意すべきカンピロバクター腸炎について

細菌性腸炎の中にカンピロバクター腸炎があります。主となる原因食品は鶏肉です。鶏刺しやレバ刺し、加熱があまりされていない鶏のタタキ、加熱が不十分なバーベキューや焼き鳥が原因になります。また生の肉を切ったあとの調理器具も感染源になりえます。

潜伏期間は2-5日で、主な症状は腹痛・嘔吐・下痢・血便といった消化器症状が出現します。約1/3の患者さんに消化器症状の前にインフルエンザ様の発熱・頭痛・悪寒・筋肉痛などの症状が先行することがあります。便の性状は軽度の軟便から水様便、潜血便、肉眼的な血便まで様々であり、便性状からの判断は困難です。基本的には対症療法ですが、重症の場合は抗生剤を使用することもあります。

一般的な予後は良好ですが、1000-2000人に1人の割合で、感染後にギランバレー症候群を発症する可能性があります。

筋肉系YouTuberの芳賀セブンさんがギランバレー症候群に罹患されたことをYoutube上でも発信されています(→幸い競技復帰されています!)、鶏肉の調理には皆さん十分に注意しましょう。

ギランバレー症候群は、下肢~上肢にかけての神経麻痺、脱力がみられます。神経障害が進行して、重症化すると人工呼吸器が必要になる可能性がある病気になります。

予防法はないため、腸炎症状の1~3週間後に神経の症状が出現した場合は早期に医療機関に受診しましょう。みなさん、鶏肉の調理、生肉を扱った調理器具の後処理にご注意くださいませ。

特にトレーニーの方々は鶏肉を多く召し上がる機会が多いと思いますので、①肉と野菜を切るまな板をわける➁火はしっかり通すなど、対策は徹底してくださいね。

胃腸炎疑いの患者さんへの当院での診察

まずは病歴を詳細にお聞きします。そのあとおなかの診察をさせて頂きます。

場合によっては腹部超音波、CRP検査(指先からのわずかな採血でできます。その場で結果がわかります)を行います。胃腸炎は基本的には対症療法になりますが、脱水症状が強いと点滴が必要です。

またもしカンピロバクター腸炎後でギランバレー症候群を疑う場合は、すぐに総合病院をご紹介させていただきます。

 

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